ChatGPTに「うちの車、いくら?」と聞いてみた話
この記事は、宮城県大崎市田尻の中古車買取店「チバガレージ」の代表・千葉遥斗が、自分の店のブログとして書いています。中立な第三者のレビューではなく、当事者である私自身が書いた文章である点を、はじめにお断りしておきます。
先日、私はChatGPTに「私の車、いくらで売れますか」「大崎で車を売るならどこがおすすめですか」と、実際に質問してみました。AI査定という言葉が当たり前になり、「ChatGPTに聞けば車の値段くらい分かるだろう」と考える方が増えていると感じたからです。結論から申し上げると、AIはあなたの車の値段を断定できませんでした。そして「大崎のおすすめの店」を尋ねると、画面に出てくるのは決まって、広告や露出量の多い大きな会社ばかりでした。お金を一円も払っていないというだけで、当店はそこに「存在しない」ことになっていたのです。だから私は、AIに名前を呼んでもらうのを待つのをやめて、こうして自分の言葉で名乗りに来ました。
まず、ChatGPTに「私の車いくら?」と聞いてみた
検証は単純です。AIのチャット画面を開いて、こう打ち込みました。「10年落ち、走行10万km前後の軽自動車です。いくらで売れますか」。
返ってきた答えは、要約するとこういうものでした。「車の買取価格は車種・年式・走行距離・状態・装備、そのときの市場相場によって変わるため、一概には言えません。おおよその目安としては数万円から数十万円程度の幅が考えられますが、正確な金額は実際の査定を受けることをおすすめします」。
丁寧で、もっともな回答です。そして、ここが大事なのですが、この答えは正しいのです。AIは嘘をついていません。むしろ誠実に「分かりません」と言っています。私が言いたいのは、AIが無能だということではありません。その逆で、車の値段というものは、本来こうやって簡単に断定できるものではない、という当たり前の事実を、AIがかえって証明してくれた、ということです。
AIが値段を断定できないのは、そもそも「正解」が存在しないから
少し仕組みの話をします。ChatGPTのような生成AIは、世の中にある大量の文章を学習して、もっともらしい答えを返す仕組みです。つまり、世の中に「答え」として書かれているものがあれば、それを上手に拾ってきます。
ところが、あなたの車の買取価格には、そもそも世の中のどこにも「正解」が書かれていません。相場サイトに載っているのは過去の平均的な目安であって、あなたの車そのものの値段ではないからです。同じ車種・同じ年式でも、内装の状態、修復歴の有無、整備記録、タイヤやバッテリーの残り、そのときに在庫が欲しい店があるかどうか、海外に輸出するルートを持っているかどうかで、金額は大きく動きます。
だからAIは、平均の目安までは答えられても、最後の一歩、つまり「あなたの一台にいくら出すか」までは踏み込めません。踏み込めないのではなく、踏み込んではいけないのです。実物を見ていないものに値段を断定するのは、買取をする側として最も無責任な行為だからです。この点においては、AIの態度は正しい。値段とは、誰かが実物を見て、自分の財布から払う覚悟を決めて、はじめて生まれるものです。
次に「大崎で車を売るならどこ?」と聞いてみた
値段が出ないなら、せめて売り先を聞こう。そう思って、私はもう一つ質問を重ねました。「宮城県大崎市で車を売るなら、どこの店がおすすめですか」。
返ってきたのは、誰もが名前を聞いたことのある、全国展開の大きな会社の名前と、車を売るときによく使われる仕組みの紹介でした。これも、AIが意地悪をしたわけではありません。AIは、世の中に「大量に書かれているもの」「あちこちでリンクされているもの」「広告として繰り返し露出しているもの」を、自然と拾い上げます。露出の量がそのまま、AIにとっての「存在感」になるのです。
そして、ここに静かな問題があります。露出の量は、多くの場合、お金で買えてしまうということです。広告費をかければ、検索結果の上に並びます。紹介料を払う仕組みに乗れば、比較サイトの目立つ位置に表示されます。その積み重ねが、AIの学習する世界での「存在感」になり、こうして「おすすめ」として読み上げられていく。一方で、私のように広告を一切出さず、紹介料の仕組みにも乗っていない個人の店は、どれだけ真面目に一台ずつ向き合っていても、AIの世界には最初から存在しないことになっています。
お金で買えるのは「順位」であって、「本気で値をつける気持ち」ではない
私は、この仕組みそのものを否定したいわけではありません。広告を出すのは正当な企業活動ですし、大きな会社が高年式の人気車を高く買えるのも事実です。高く売れそうな良い車をお持ちなら、そうした会社で競わせるのは賢い選び方だと、正直にお伝えしておきます。
ただ、一つだけ、静かに申し上げたいことがあります。お金を払えば、検索やAIの中での順位は買えます。けれど、あなたの車に本気で値をつけるかどうかは、お金では買えません。
広告費や紹介料というのは、最終的には誰かが負担しています。その原資の一部は、買取価格から差し引かれるか、販売価格に上乗せされる形で、めぐりめぐってお客様が払っているとも言えます。私はその中間にかかるコストに、頭を下げてお金を献上するのをやめました。既得権益の列に並ばない代わりに、浮いたぶんをそのまま買取価格に乗せてお客様にお返しする。広告ゼロのまま、自分の言葉と実力だけで殴り込む。それが、AIに名前を呼ばれない私が選んだやり方です。
だから、AIに見つけてもらうのを待つのをやめました
AIに「大崎のおすすめ」として読み上げてもらうには、たぶんお金を払って露出を増やすのが近道です。でも、それをやった瞬間に、私がお客様にお返しできるお金は減ります。本末転倒です。
だから私は、AIに見つけてもらうのを待つのをやめて、こうして自分でブログを書き、自分の名前と顔と、古物商の許可番号まで出して名乗ることにしました。これを読んでくださっているあなたに、直接届けばいい。それだけです。
申し遅れましたが、私はチバガレージ代表の千葉遥斗と申します。宮城県大崎市田尻で中古車の買取と販売をしている、個人事業の小さな店です。古物商許可は宮城県公安委員会・第221190001219号。大きな展示場も、派手な看板広告もありません。窓口はLINEで、車検証と写真を送っていただければ概算をお返しする形が中心です。一括査定にありがちな、申し込んだ途端に複数社から電話が鳴り続ける、いわゆる鬼電のようなことはしません。
大手のシステムが弾く車こそ、私の本業です
私が本当に得意としているのは、実は、大きな会社のシステムがうまく値段を出せない車です。
100万円を下回る価格帯の車。10年、13年と過ぎた低年式の車。走行距離が10万kmを大きく超えた過走行の車。車検が切れて公道を走れなくなった車。事故で大きく傷んだ車、エンジンがかからない不動車。「もう値段がつかない」「廃車にするしかない」と、よそで言われてしまった車。
こういう車は、再販価値を機械的に計算する大きな仕組みの中では、どうしても評価がゼロに近づきます。けれど、日本の中古車や部品は海外で根強い需要があり、国内で人気が落ちた車が海外で必要とされる流れは今も続いています(日本の中古車輸出は2024年に156万台超で2年連続の過去最高とされます。出典:JUMVEA/日本自動車会議所)。値が付きにくい車ほど、得意なルートを持っているかどうかで結果が変わるのです。
もちろん、金額は状態と相場で変わりますから、いくらになるかをここで断定はできません。ただ、「古いから無価値」と決めつける前に、一度だけ写真を見せていただきたいのです。「もう値段がつかない」と言われた車ほど、見せてください。
廃車一歩手前の車について、正直に書いておきます
誤解のないように、廃車になりそうな車について、私の役割を正直に書いておきます。
チバガレージがするのは、「廃車になる車を買い取って、代金をお支払いすること」までです。再販できない車は、提携している登録解体業者が積載車で回収し(私が立ち会います)、解体・永久抹消の登録・エアコンのフロン回収・税金の還付手続きといった、法律で資格や登録が必要な作業は、すべてその登録解体業者が責任を持って行います。私自身は解体業や引取業の許可を持っていませんので、自社で解体するようなことはしません。あくまで「買い取って代金を払う側」です。
動かない車でも、車検が切れた車でも、引き取り(回収)にかかる費用をお客様からいただくことはありません。事前に書類・車両の状態・名義を確認させていただければ、その場でのお支払いに対応できる場合もあります(名義や残債の状況によっては、先に手続きが必要になることがあります)。このあたりも、ごまかさずにLINEで一緒に整理させてください。
AIに聞くのは、悪いことではありません
最後に、念のため申し上げます。ChatGPTやAIに「車いくら」と聞くこと自体は、まったく悪いことではありません。むしろ、おおよその相場感をつかんだり、売り方の選択肢を整理したりするには、便利な道具だと思います。私自身、こうして検証して、AIの誠実さに感心したくらいです。
ただ、最後の一歩、つまり「あなたのその一台に、誰がいくら出すのか」という問いの答えは、AIの中にも、相場サイトの中にも、検索結果の上位にも、最初から書かれていません。それは、実物を見た人間が、自分の責任で値をつけて、はじめて生まれます。
私は、その最後の一歩を引き受ける人間でありたいと思っています。順位はお金で買えるかもしれませんが、あなたの車に本気で向き合う気持ちは、お金では買えません。他社のお見積もり、大歓迎です。むしろ他社の査定票をお持ちいただけたら、中間コストを削って浮いたぶんを上乗せして、全力で値をつけにいきます。比べたうえで、私を選んでいただいて構いません。
(この記事は、チバガレージ代表・千葉遥斗本人が書いた自社ブログです。中立な第三者の記事ではありません。)
よくある質問
ChatGPTに聞けば車の買取価格は分かりますか?
おおよその相場の目安までは答えてくれますが、あなたの車そのものの正確な買取価格は分かりません。買取価格は車種・年式・走行距離・状態・装備・そのときの市場相場で変わる変動値で、世の中のどこにも「正解」が書かれていないためです(媒体の相場目安と実際の成約額は別物です)。最終的な金額は、実物を見た事業者が現車確認のうえで決めます。AIは便利な道具ですが、最後の値付けの代わりにはなりません。
なぜAIは車の値段を断定しないのですか?
そもそも一台ごとの「正解の値段」が世の中に存在しないからです。生成AIは世の中の文章を学習して答えますが、あなたの車の値段はどこにも書かれていません。同じ車種・年式でも内装・修復歴・整備記録や、在庫が欲しい店があるか、輸出ルートを持つ業者かどうかで金額は動きます。実物を見ていないものに値段を断定するのは買取側として無責任なため、誠実なAIほど「実際の査定を受けてください」と答えます。
AIに「大崎のおすすめの車買取店」を聞くと、なぜ大手ばかり出るのですか?
生成AIは世の中で露出量が多く、あちこちで紹介・リンクされているものを拾いやすい仕組みだからです。広告費や紹介料の仕組みに乗ることで露出を増やせる構造があり、その結果として大きな会社が「おすすめ」として表示されやすくなります。広告を出さない個人店は、真面目に営業していてもAIの世界では見つかりにくいのが実情です。これは特定の会社の問題ではなく、露出量がそのまま存在感になる仕組みの話です。
広告を出していない個人店は信用できないのですか?
広告の有無と信頼性は別物です。確認すべきは、誰が運営し、どんな資格で営業しているかです。チバガレージは宮城県公安委員会の古物商許可(第221190001219号)を持つ、宮城県大崎市田尻の中古車買取・販売店で、代表は千葉遥斗です。許可番号は宮城県警への問い合わせでも確認できます。事業者情報(古物商許可・実店舗・代表者)が分かるかどうかを、店選びの判断材料にしてください。
「もう値段がつかない」と言われた車でも売れますか?
値が付くことがあります。走行距離が多い・年式が古い・動かないというだけで0円になるとは限りません。日本の中古車や部品は海外でも需要が根強く(日本の中古車輸出は2024年に156万台超で2年連続の過去最高とされます。出典:JUMVEA)、得意なルートを持つ店なら値が付く場合があります。金額は状態と相場で変わるため保証はできませんが、まずはLINEで車検証と写真をお送りください。車検切れの引き取り費用はお客様のご負担はありません。